いよいよ、福井県原子力専門委で再稼働に向けた検証作業が開始された。
初日は、保安院の説明に委員が質問するという形になったそうだ。
マスコミ報道では、初日は、委員から再稼働への疑問や反対意見が多くだされたとあるが、傍聴したある人は、再稼働への手続きを着々と踏んでいるようだと話された。国の原子力安全保安院のように、再稼働の判断を投げださず、再稼働に「反対」してもらいたい。いや、安全を検証するなら、再稼働OKとなるはずはないと考える。
安全面だけでも、あまりにも多すぎるぐらい、してはいけないという理由が多い。福島第一原発事故の原因究明さえなされていない(というか、現時点では、溶融した燃料の状態さえ判らないのだから、原因究明はできないはずだ)という一点だけでも、十分だ。通常の危険な設備を動かすのではない福島事故をみてもあきらかなように、多くの人の生命・健康、広大な歴史ある地域、地域の未来、人々の心。すべてを破壊することになる設備を再稼働することになる。
再稼働どころか、一刻も早く廃炉にすべきだと思う。
福井新聞 (2012年4月16日午後8時43分)
「再稼働『基準以上の対策必要』 福井、県原子力専門委で検証開始 」
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpower/34199.html
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政府から協力を要請された関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の再稼働をめぐり、県原子力安全専門委員会が16日、福井県庁で開かれ、国が示した新たな安全基準の妥当性や大飯原発の適合性の検証が始まった。中川英之委員長(福井大名誉教授)は「どんなことが起こっても燃料を冷やし続けられる担保が必要」とし、場合によっては新基準に含まれていない対策も必要との認識を示した。18日に現地を視察する一方、報告書を取りまとめる時期は未定とした。(伊豆倉知)
枝野幸男経済産業相が14日、西川知事に協力を求めて以降、初の会合。委員7人が出席し、経産省原子力安全・保安院が新基準の内容や大飯3、4号機の評価結果を説明した。
専門委としては、過酷事故に至りそうな場合に「安全側に戻す」(中川委員長)ための対策が取られているかどうかを特に重視した。大飯原発で重大事故が起きた場合、加圧水型の特性として蒸気発生器(SG)による熱交換で炉心冷却を行うが、委員は「四つのSGが全て壊れても冷やせるのか」と質問。保安院は、基準地震動(想定した最大の揺れの強さ)の1・8倍までは耐震性を保つことができ、一つでも損傷せず残れば冷却の継続は可能と答えた。
2015年度に運用を開始する免震事務棟については、完成まで代替する中央制御室横の会議室が、耐震性や放射性物質の流入防止の面で問題がないかを確認。免震棟が計画通り15年度までに建設できるか、工学的に検証したかもただした。
ハード対策に実効性を持たせるため、ソフト対策を充実させることの重要性も指摘した。委員の一人は、事故制圧のための機器を実際に使いこなせるか規制当局のチェックが不可欠と強調。「不断の訓練」で備える必要があると求めた。
このほか▽中長期対策の工程表の確実な確認▽規制体制の全体像の明確化▽他国の事故、規制体制の知見反映▽過酷事故対策マニュアルの実効性の確認―などを求める意見が出た。
「電力が不足するからと見切り発車で再稼働するのは問題。(全ての)対策ができた上で(再稼働を)実行すべきだ」との厳しい指摘もあった。
終了後、中川委員長は記者団に「格納容器やSGなど1次系で亀裂などが発生した場合、どういう対応が取れるのか。今回の基準には入っていない」と述べ、原発の最終的な安全性を担保するには対応策を明確にするべきだと強調した。
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