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2012年1月9日月曜日

原子炉等規制法改正案:原発40年廃炉 例外規定で形骸化も

再稼働へ地固め。

稼働中が20基程度の去年の夏場、6基の現在、電力不足による停電は起こっていない。電力を補うためにはいったい何基あればいいというのだろう。
すでに、公式発表のデータを使っても、節電対策程度で足りる。

「原発はなくても電力は足りる。」その理由~小出裕章先生
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=PLJVLul6Wz0#t=315s

上記で「足りている」というのは、自家発電などの発電量は無視している。たぶん、実際にはもっと余裕がある。(企業などの自家発電などを総合すると全ての原発の発電量程度はあるという説もある。稼働していない自家発電も多く、そこを稼働させれば、電力需要そのものを減らせる。)

40年を超えた数基を止めて、残りを動かそうという魂胆。
それも例外規定でザル法になりかねない。
政府は、危ないという言葉を知らぬようだ。

毎日新聞 2012年1月7日
原子炉等規制法改正案:原発40年廃炉 例外規定で形骸化も 安全確保、専門家「公的検査を」
 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20120107ddm005010062000c.html
================== 記事全文 ===========================
 政府が6日に発表した原子力安全規制の転換方針に、原発の40年寿命の導入が盛り込まれた。これまで日本の原発は、設置許可時に運転期間を定めず、定期検査や事業者による確実な保守点検を運転継続の要件にしてきた。原発の新規立地や増設が難航する中、運転長期化を余儀なくされてきた原発に寿命を設定することが安全確保につながるのか。例外規定付きだけに、今後の運用によっては形骸化する恐れもある。【奥山智己、永山悦子】
 「原子力規制にとって大きな転換。老朽化の評価は厳しくなるので、40年以上の運転は難しい」と政府関係者は話す。というのは、経済産業省原子力安全・保安院は「設計時、性能や機器に十分余裕を持たせており、技術上の寿命は60年以上」としてきたからだ。
 これまで保安院は「老朽化」を「高経年化」と言い換え、「対策により限りなく寿命を延ばすことができる」などと説明。運転から30年になる原発について、各事業者に老朽化の状況を評価させ、それを反映させた事業者の保全計画を確認することで運転を許可してきた。30年目以降は10年ごとに保全計画を出させることで、60年の安全を担保していた。
 しかし、09年4月、九州電力の玄海原発1号機で、燃料の核分裂で生じる中性子の影響で圧力容器が当初の予想よりもろくなっていたことが判明。保安院や九電は十分な情報公開をしておらず、専門家は「検証ができない」と疑問視。今も、予想より早くもろくなった原因は謎だ。そうした不透明な状況のなかで寿命を40年としたのは一歩前進だが、運転制限には、老朽化を評価して問題がなければ延長ができるという例外規定も残している。
 原子炉材料に詳しい長谷川雅幸・東北大名誉教授は「80年以降に建造された圧力容器は銅などの不純物を抑えられ、40年以上使えるものもあるかもしれない。ただし、例外として40年以上使用する場合、公的な検査機関が事業者にさまざまなデータを提出させ、誰もが納得できるような検査をする必要がある」と指摘する。

 ◇再稼働へ「地ならし」か

政府が「原発の寿命」の目安を示す40年運転制限制を導入する背景には、福島第1原発の事故後高まっている原発への不信感を、老朽化した原発は使わないことをアピールして払拭(ふっしょく)し、原発再稼働に向けた「地ならし」を進めたい狙いがありそうだ。
 全国の商業用原発54基のうち、定期検査などで48基が停止中。残る6基も今春に定期検査入りする予定で、政府内には「節電でなんとかなる状況を超えてしまう」(経産省幹部)との懸念がある。
 福島第1原発は全6基が運転開始から30年を超えており、老朽化と事故との関係を疑う指摘も根強い。運転開始から40年を超す美浜原発1号機など商業用原発13基を抱える福井県が「高経年化(老朽化)についての安全評価の策定」を再稼働の条件とするなど、老朽化対策を早急に行うよう求める声は各地から出ていた。このため、「原発の寿命」を40年に設定することは「住民の不安への回答の一つになるのではないか」(資源エネルギー庁幹部)と期待がある。ただ、40年を超えても運転延長が認められる例外も設けられる。細野豪志原発事故担当相は6日の記者会見で「40年以上の運転は極めてハードルが高くなったと考えている」と強調したが、運転から30年後、10年ごとに運転延長を国に申請して寿命を延ばしてきた現行制度と「事実上、変わらない」(経産省関係者)との指摘もあり、理解がどこまで得られるかは分からない。【野原大輔、和田憲二】

 ◇国内4割が30年超

現在、運転40年を超えているのは事故を起こした東京電力福島第1原発1号機(福島県)を含め3基ある。また、30~39年の原発は福島第1原発2~6号機、廃炉が決まった中部電力浜岡1~2号機(静岡県)を含め18基に達し、国内の全原発54基の約4割が運転30年を超えている。電力会社別でみると、関西電力は所有する11基中7基が30年超えだ。
 世界では、47年運転したロシアの原子炉(02年に廃炉)が最長。運転中の最長は英国の44年、日本最高齢の日本原子力発電敦賀原発1号機(福井県)は世界7位の長さだ。米国は従来、運転期間を法律で40年と定めていたが、95年の規則改正でさらに20年の運転延長を認めるなど、世界的に原発の高齢化は進んでいる。
 一方、運転30年たっていない原発でも、老朽化が原因とみられるトラブルや事故が絶えない。
 中には、関西電力美浜原発2号機(福井県)の細管破断(91年)、東京電力福島第1原発2号機の炉心隔壁「シュラウド」ひび割れ(94年)、中部電力浜岡原発1号機(静岡県)の緊急炉心冷却系の配管破断(01年)、美浜原発3号機の配管破断(5人死亡、04年)など、深刻な事例もある。
 原因は、金属疲労や腐食、中性子による材料劣化、ケーブルの被覆管破損などで、運転する以上、避けられない要素だ。
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 ◆運転から30年を超す国内の原発◆
原発      事業者  設置県 運転開始年
敦賀(1)   日本原電 福井  1970
美浜(1)   関西電力 福井  1970
福島第1(1) 東京電力 福島  1971
………………………………………………………
美浜(2)   関西電力 福井  1972
島根(1)   中国電力 島根  1974
福島第1(2) 東京電力 福島  1974
高浜(1)   関西電力 福井  1974
玄海(1)   九州電力 佐賀  1975
高浜(2)   関西電力 福井  1975
浜岡(1)   中部電力 静岡  1976
福島第1(3) 東京電力 福島  1976
美浜(3)   関西電力 福井  1976
伊方(1)   四国電力 愛媛  1977
福島第1(5) 東京電力 福島  1978
福島第1(4) 東京電力 福島  1978
東海第2    日本原電 茨城  1978
浜岡(2)   中部電力 静岡  1978
大飯(1)   関西電力 福井  1979
福島第1(6) 東京電力 福島  1979
大飯(2)   関西電力 福井  1979
玄海(2)   九州電力 佐賀  1981
 *2012年1月現在、カッコ内数字は号機、点線の上が、40年超
毎日新聞 2012年1月7日 東京朝刊
================== 記事 終 ===========================

記:ふっ

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